「生きる」教育 |
指導案、教材・教具 |
研究報告 |
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貧困家庭に育った子ども、ひとり親家庭で育った子ども、ヤングケアラー、社会的養護出身者などに関しては、その高卒後進学率の低さ、就労の不安定さ、心身の健康などの問題が指摘されています。こうした子どもたちへの支援の必要性は学術的、政策的な場でさまざまに議論されていますが、実際に子ども時代に何らかの支援を受けたことが、どのような経験としてご本人から語られるのかについて、研究は十分蓄積されていません。
そこで本プロジェクトでは、田島南小中一貫校で実施されている「『生きる』教育」を受けた子どもたちがその後どのようなライフヒストリーを歩み、「『生きる』教育」を受けた経験を現在から振り返ってどのように語るのかについて、インタビュー調査により明らかにすることを目的としています。たとえば「『生きる』教育」では、「支配にも依存にも陥らない人間関係」を作ることが目標の1つとされています。「『生きる』教育」を受けたことはどのような意味を持つ経験であるのかについて、複数人で話し合っていただくフォーカス・グループインタビュー調査と、お一人ずつのお話を調査者がうかがう個別のインタビュー調査を行います。
すでに実施したフォーカス・グループインタビュー調査からは、「『生きる』教育」が子どもたちの目から見てどのようなものであったのか、リアルな声が聞かれています。社会における格差や貧困といった問題を解決していくうえで教育が果たすべき役割や、どのような教育のあり方が今後求められるのかについて考えるための、とても重要な手がかりが得られてきています。
2025年7月 京都大学大学院教育学研究科 准教授 藤間公太
グループインタビュー調査の様子
【2025年7月時点】
氏名 | 所属 |
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宇田 智佳 | 関西大学・特別研究員 |
桑山 碧実 | 大阪大学・大学院生 |
瀬戸 麗 | 富山県立大学・講師 |
土屋 敦 | 関西大学・教授 |
藤間 公太 | 京都大学・准教授 |
中西 美裕 | 大阪大学・大学院生 |
西林 佳人 | 関西大学・大学院生 |
西村 尋 | 大阪大学・大学院生 |
水野 聖良 | 大阪大学・大学院生 |